個人事業主と法人の大きな違いは、事業を行う主体が自然人としての個人なのか、法律により人格が与えられた法人なのかによる違いです。これから開業する方は、個人で事業を行うか会社を設立して法人で事業を行うか2つの選択肢があります。
個人も法人も事業を行い収益を上げていくという目的は変わらないことですが、この2つの選択が開業の際や今後の申告において違いが出てきます。
ここでは、主に個人事業と法人の2つの事業形態についてそれぞれメリットとデメリットをみていきます。
個人事業主のメリット・デメリット
○メリット
【手続き】
税務署に対して、『個人事業の開業・廃業等届出書』を提出するのみで開業の手続きは完了します。
【税金】
- 所得税及び復興特別所得税の確定申告
- 消費税及び地方消費税の確定申告
- 償却資産税
- 住民税
- 個人事業税 etc…
上記1.~3.は事業者が申告書を作成して提出するものですが、4.と5.は1.の所得税の確定申告書を提出することで、基本的に各自治体が計算してくれるので、事業者が申告書を作成することはありません。
【社会保険】
従業員が5人未満であれば、健康保険・厚生年金の加入は任意ですので、保険料の会社負担がありません。
○デメリット
【信用度】
取引先や金融機関に対する信用度は法人に比べて低い傾向があります。
【税金】
所得税は所得が多くなるにつれて税率が高くなる超過累進税率が適用されているため、一定の所得金額を超えると法人よりも多くの税金を納付する場合があります。
法人のメリット・デメリット
○メリット
【信用】
個人よりも取引先に対する信用度が高い傾向があります。
【税金】
法人税の税率は近年の税制改正で減少傾向にあり、所得金額によらずほぼ一定率となっているため、タックスプランを立てやすくなっています。
【資金調達】
株式や社債を発行することにより、資金調達方法が個人事業主に比べて多くあります。
○デメリット
【手続き】
法人として開業する際は、定款の作成や法人登記といった手続きやそれに伴うコストがかかります。
【税金】
赤字決算の場合でも、地方税の均等割として、一定額税金を収めなければならない。
まとめ
これから開業する方は、個人事業主で開業する場合、法人で開業する場合、それぞれのメリット・デメリットを検討する必要があります。
個人から法人成りする場合は、法人設立の手続きを行えばいいのですが、法人から個人事業へ転換する際には法人解散の手続きが必要になります。
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